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減損会計

第4回:グルーピング(2)

2007.11.02
新日本有限責任監査法人 公認会計士 山岸聡
新日本有限責任監査法人 公認会計士 若林恒行

3.資産のグルーピングと遊休資産の関係

(1)遊休資産

遊休状態とは、企業活動にほとんど使用されていない状態をいい、また、そのような状態にある資産を遊休資産といいます。この遊休資産のうち、将来の使用が見込まれていないもので重要なものについては、他の資産または資産グループとは別の資産グループとして取り扱うことが適当です。

(2)遊休資産の回収可能価額

遊休資産の回収可能価額については、将来の使用が見込まれていないということから、使用価値はゼロであることが推定されるので、通常、回収可能価額は、正味売却価額となります。

(3)遊休資産というグルーピングは可能か

処分の意思決定を行った重要な資産や、廃止の意思決定を行った事業に係る重要な資産、将来の使用が見込まれていない重要な遊休資産は、これらを「遊休資産」としてグルーピングすることはできません。

資産のグルーピングと遊休資産の関係

4.セグメント情報との関係

「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針(以下、適用指針)」では、連結財務諸表における資産グループは、どんなに大きくとも、事業の種類別セグメント情報における開示対象セグメントの基礎となる事業区分よりも大きくなることはないと考えられる(「適用指針」第73項)としています。

減損会計における資産グループが、事業の種類別セグメント情報における開示対象セグメントの基礎となる事業区分を超える場合がまったくないとは考えられていません。セグメント間取引が存在し、セグメント間に相互補完的な関係が生じている場合などは、大きな単位で資産グループを形成することがあるかもしれません。

5.連結の見地からの見直し

連結財務諸表は、企業集団に属する親会社および子会社が作成した個別財務諸表を基礎として作成されます。また、連結財務諸表においても、原則として、個別財務諸表における資産グループが用いられます。しかし、管理会計上の区分や投資の意思決定を行う単位の設定などが複数の連結会社を対象に行われており、連結財務諸表において、他の資産または資産グループのキャッシュフローから概ね独立したキャッシュフローを生み出す最小の単位が各連結会社(在外子会社を含む)の個別財務諸表における資産のグルーピングと異なる場合には、連結財務諸表においてグルーピングの単位が見直されることになります。

この結果、個別財務諸表で認識し計上した減損損失を、連結財務諸表においては、減損が生じていないとして、戻し入れの処理を行うことも考えられます。例えば、連結グループが機能別に構成されている(製造子会社、流通子会社、販売子会社など)ものの、連結上の管理は製品別等で行われている場合は、会社の法人格を超えて資産グループが形成されることが想定されるため、連結上資産グループが見直されることが考えられます。


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