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コンプライアンスの取組みを支える新たな発見 
「欧州・中東・インド・アフリカ不正行為サーベイ2015」日本語版および「アジア太平洋不正行為サーベイ2015」日本語版の公表

2015.09.24

EYのメンバーファームである新日本有限責任監査法人 FIDS(不正対策・係争サポート)部門は、EYが実施した「欧州・中東・インド・アフリカ不正行為サーベイ2015」および「アジア太平洋不正行為サーベイ2015」のそれぞれの日本語版を公表しました。

「欧州・中東・インド・アフリカ不正行為サーベイ2015」は、2014年12月から2015年1月にかけて、38カ国の大手企業の上級幹部を含む従業員3,800名のインタビューによるものです。
また、「アジア太平洋不正行為サーベイ2015」は、2015年2月に、アジア太平洋14地域の大手企業で働く上級管理職や中間管理職を含む従業員を対象にした1508件のインタビューを分析したものです。

今回公表した2つのサーベイでは、企業がコンプライアンスの取組みを進めるにあたって参考となる新たな発見がありました。

まず、「欧州・中東・インド・アフリカ不正行為サーベイ2015」では、コンプライアンスへの取組みがかえって成長への阻害要因になるのではないかという疑問を明確に否定し、コンプライアンスは企業の持続的な成長に必要な要件であることが明らかとなりました。これは、過去2年間に収益が拡大した企業は、収益が減少した企業と比較すると、効果的なコンプライアンスポリシーと手続きを策定しているという回答が多い傾向が現れていることなどによるものです。
成長への厳しいプレッシャーにさらされている企業にとって、不正・汚職リスクの適切な管理と成長は同時に実現できるものであり、不正と汚職は成長のための安易な選択肢とはならないというメッセージを伝えています。

また、「アジア太平洋不正行為サーベイ2015」では、約80%の回答者が、贈賄や汚職に関与した企業では働きたくないと答えており、不正の予防はもはや単に法務やコンプライアンスだけの問題ではなく、人材の採用・維持や事業継続に影響する問題であることが明らかとなりました。
これまでは、コンプライアンスへの取組みを行うインセンティブは多分に財務的な損失やレピュテーションの毀損に依存していましたが、企業に対する不正の影響は従来よりも幅広いものになっています。従業員の目線が欠けた経営は、生産性や成長戦略に影響を及ぼし、究極的には企業にとって最も大切な人材の流出を助長することにもなり得ます。

サーベイの概要とポイント

『不正行為と汚職は成長のための安易な選択肢か?』
欧州・中東・インド・アフリカ不正行為サーベイ2015

<概要>
マーケティング調査会社のIpsos社を通じて、2014年12月から2015年1月にかけて、38カ国の大手企業の従業員3,800名を対象に、オンラインまたは対面でインタビューを行いました。すべての国において、インタビューは匿名形式で、現地の言語を使用して実施されました。

<ポイント>

  • 31%が、経営陣は、よりハイリスクの市場に事業拡大することへのより高いプレッシャーにさらされていると考えている。そうした急成長市場では、回答者の実に61%は汚職がまん延していると感じており、37%が自国ではしばしば実際より良い財務実績を報告する企業が多いと回答した。
  • 不正リスクは急成長市場に限らず、上級幹部のうち5人に1人を超える回答者が、過去12ヵ月間における収益計上の前倒しを認識しており、同程度の回答者が過去12ヵ月間における社内でのコストの過少報告について耳にしたことがあると回答している。
  • 過去2年間に収益が拡大した企業では、収益が減少した企業よりも、反贈収賄ポリシーと行動規範が策定されており、スタッフが反贈収賄研修に出席する傾向が高いなど効果的なコンプライアンスポリシーと手続きを策定しているという回答が多い傾向がある。
  • 42%が、自社は反汚職ポリシーを策定していないかまたは存在を知らないと答え、37%が反汚職研修を受けたことがないと答えるなど多くの企業ではいまだに有効なコンプライアンスの基礎的な土台ができていない傾向がある。
  • 金融サービスは当局や顧客からの厳しいプレッシャーに対応し、コンプライアンスにより注力しているという傾向がある。
  • リーダーのコミットメントについては、そもそも倫理基準へのコミットメントを伝達していない上級管理職がいることに加え、44%の上級管理職が倫理基準の重要性を頻繁に伝えていると回答しているのに対し、わずか30%の従業員しかそれに同意していない。

『不正と汚職は有能な人材の流出を助長するか?』
アジア太平洋不正行為サーベイ2015

<概要>
マーケティング調査会社のIpsos社を通じて、2015年2月5日から23日にかけて、アジア太平洋14地域の大手企業で働く従業員を対象に、1,508件に及ぶインタビューを実施しました。インタビューは、英語または現地語で、オンラインまたは対面形式で実施されました。

<ポイント>

  • 約80%の回答者が、贈収賄や汚職に関与する企業では働きたくないと答えており、不正の予防はもはや単に法務やコンプライアンスだけの問題ではなく、人材の採用・維持や事業継続に影響する問題である。
  • 41%の回答者が行動規範は実際の行動に与える影響はほとんどないと考え、内部通報ホットラインを活用する意図があるとの回答が2013年の81%から3分の1近く減少し53%となったことなどからすると、方針や手続きは有効に機能していると言い難い状況である。
  • サイバー攻撃については、47%が今後数年の間に自社がサイバー攻撃を受けるリスクが高まっていると懸念する一方、これらの脅威に対する備えが自社で完全にできているとの回答は半分をわずかに超える56%に過ぎない。
  • 第三者による贈賄リスクとの関係では、自社の事業にとって第三者(ジョイントベンチャーパートナー、販売会社、代理人、ベンダー)がリスクであると回答したのは半数をわずかに超える56%で、72%の回答者は、自社が第三者に関する不正・贈賄・汚職リスクを有効に管理していると確信している旨回答している。しかし、第三者が関与する贈賄事案に対する当局の継続的な摘発強化の傾向を踏まえると、こうした確信は誤解に基づくものである可能性がある。

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なお、お申込みは企業において関連業務に従事する方に限らせていただきます。あらかじめご了承ください。