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シリーズ 学校法人会計基準の今後を考える

第5回:財務3表以外の個別論点「その他の論点」について
-学校法人会計基準の在り方に関する検討会について(文科省)-

2012.12.28

平成24年度学校法人会計基準の在り方に関する検討会(全7回)が開催され、基本3表である、資金収支計算書、消費収支計算書、貸借対照表の様式と、学校法人会計におけるその他の論点について議論が行われました。

今回は、財務3表以外の個別論点「その他の論点」について解説します。

「その他の論点」

  • 減損会計:減損会計に代えて有姿除却の会計手法を検討
  • 金融商品:強制評価減のルールをさらに明確化するかどうかの検討
  • 継続法人の前提:4号基本金引当特定資産の強制に伴う資金不足が発生した場合の注記の必要性の検討
  • その他の課題(合併会計、一般的な引当金、外貨換算会計)

<固定資産の減損会計>

減損会計の考え方は、貸借対照表を会計主体の効用価値で評価することを前提としています。企業は利益獲得を目的とするため、当該資産の収益獲得能力と最低限の収益価値である資産の売却価額を比較し、減損する方法がとられます。一方、学校法人は利益獲得ではなく教育研究を目的とするため、利益獲得を前提とする減損会計の発想は馴染まず、当該資産が提供する教育研究サービスが何らかの理由で提供不可能になった場合の有姿除却を規定化するほうが妥当であるとの意見が提示されています。

<金融商品会計>

金融商品会計の導入は見送られ、現行の取得原価主義を維持し、注記の充実で対応する方向で検討されています。ただし、現状では強制評価減のルールが明確でないことから、例えば、時価が取得原価の50%未満になった場合には評価替えをするなどのルールを、実務における徹底を図る意味で、明確にすべきとの意見が提示されています。この点は今後、文部科学省通知もしくは日本公認会計士協会の学校法人委員会実務指針などにより、対応することが検討されていますが、決算数字への影響が大きくなる可能性もあるので、今後の議論の方向性に注意が必要です。

<継続法人の前提>

企業会計における継続企業の前提の注記は、経営の継続に重要な疑義が生じた際、その解消のための対応策をとっても、なお重要な不確実性が残る場合に、経営者が財務諸表に注記を行うものです。
検討会では、企業会計と同様の制度を導入するのは学校法人会計基準では馴染まないという意見がある一方で、4号基本金引当特定資産を維持できない場合には、情報開示をするべきという意見が提示されています。
4号引当金特定資産を計上できない場合には、その事実と対応の注記を求める方向で検討されていますが、当該注記はいわゆる継続企業の前提の注記とは異なるものであるということを十分に議論し、整理する必要があると考えます。

<その他>

学校法人会計基準に明文がない合併に関する会計基準、徴収不能引当金と退職給与引当金以外の引当金に関する会計基準、外貨建取引ならびに外貨建債権債務に関する会計基準についても整備する必要性が提示されています。これらは、学校法人において実際に取引実務があるにもかかわらず明確な会計基準が存在しないことから、早急に会計基準を整備すべきとの意見が示されています。

詳細は、以下のウェブサイトに掲載されています。

文部科学省の公式ウェブサイトへ


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