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独立行政法人会計基準

独立行政法人会計基準等の改訂の概要について

2012.05.02

平成23年度における独立行政法人会計基準等の改訂内容は、下記表のように整理できると考えらます。本稿は、これに沿って、その概要などについて解説します。

区 分 改訂項目 関係する会計基準、Q&A
  1. 国際会計基準(IFRS)とのコンバージェンス
①セグメント情報等の開示 Q&A79-2
②会計上の変更及び誤謬の訂正 注解55、60
Q&A31-7、35-2、40-2、40-5、63-2、80-9、109-1
  1. 投下資本の回収計算の整理
①「非特定償却資産」の減損 注解14、減損第6
減損Q&A6-2
②特定の償却資産の除売却差額 Q&A31-5、31-5-2、31-6、82-4、98-1、98-2、98-6
  1. その他
①規定間の整合性確保等 Q&A33-5、79-3、79-8

1. IFRSとのコンバージェンス

IFRSとのコンバージェンスに伴う企業会計基準の改定のうち、「セグメント情報等の開示」および「会計上の変更及び誤謬の訂正」への対応が残されていたため、これらに対応する改訂が行われています。

①セグメント情報等の開示

企業会計基準において導入された「マネジメント・アプローチ」について、独立行政法人においては現行の基準等における対応で十分であり、基準等の改訂を行う必要性はないと結論付けられました。ただし、Q&A79-2において、記載例の明確化が図られているので、ご確認ください。

②会計上の変更及び誤謬の訂正

企業会計基準において適用された「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」について、独立行政法人については当該企業会計基準を導入することなく、従前の取扱いを継続するのが適当であると結論付けられました。すなわち、過年度財務諸表の遡及修正は行わないこととされました。

ただし、当該企業会計基準に関係して定義規定の整合性の確保等が必要になったため、具体的な適用(Q&A80-9)、重要な会計方針等の開示(注解55、60)、会計上の見積もり(Q&A31-7、35-2、40-2)、臨時償却の廃止(Q&A40-5)、前期損益修正(Q&A63-2)および連結財務諸表(Q&A109-1)について、ご確認ください。

2. 投下資本の回収計算

独立行政法人における固定資産の処分時の会計処理は、取得時の会計処理が資本計算に属するのか、損益計算に属するのかによって、異なる対応が必要になります。今年度の改訂においては、投下資本の回収計算の整合性を重視し、この点に関する規定の見直しが行われています。

①「非特定償却資産」の減損

改訂前の整理においては、減損が、独立行政法人が中期計画等で想定した業務運営を行ったにもかかわらず生じたものである場合に、資本剰余金の控除項目として計上されるため、投下資本の回収計算上、不整合が生じていました。この点を改善するため、非特定償却資産の減損の会計処理については、すべて損益計算上の費用として計上することに改められました(注解14、減損基準第6)。

これに伴い、既往年度に非特定償却資産について損益外処理した減損損失累計額が存在する場合には、これを臨時損失に振り替えることになるので、ご確認ください(減損Q&A6-2)。

②特定の償却資産の除売却差額

会計基準第87の特定を受けた償却資産の除売却においては、注解14(2)ないし15より、資本取引として整理します。ただし、通則法第46条の2第3項但書の主務大臣の認可を受けた場合においては、特定が解除されたと判断して、売却差額を損益取引として処理します。

なお、非償却資産についても、その除売却差額につき資本取引として処理することが明確化されているので、ご留意ください(Q&A31-5、98-1)。

関係する具体的な設例については、処分時の処理(Q&A31-5、31-6)、処分時の損益外減損損失累計額の処理(Q&A31-5-2)、行政サービス実施コスト(Q&A82-4)、不要財産の国庫納付(Q&A98-1、98-2、98-6)が定められているので、ご確認ください。

3. その他

上記以外に、注記項目等に関する規定の整理が次のとおり行われています。

①規定間の整合性確保等

ファイナンス・リース取引が損益に与える影響額の注記(Q&A33-5)、セグメント情報の注記(Q&A79-3)および法人単位決算報告書(Q&A79-8)について、ご確認ください。


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