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地方公営企業の会計制度改正の影響・留意点について(その2)

2012.02.06
新日本有限責任監査法人 公認会計士 大惠康宏

地方公営企業の会計制度改正の影響・留意点について、今回は特に財務諸表の一つである貸借対照表(資産、資本及び負債)(※1)に与える影響をテーマに考えてみたいと思います。

第一に、借入金の計上区分の変更についてです。これまで、建設改良等に係る借入金は、最終的に資本に転化していくという考え方が存在したため、資本の部に計上されてきましたが、新制度では負債に計上されることになります。この結果、これまで以上に財源構造の明確化(負債と資本の区別)が図られます。

第二に、資産の含み損、隠れ債務の計上についてです。新制度では、たな卸資産に低価法が適用されるとともに、土地や建物等の固定資産(無形固定資産を含む)に減損会計が適用されます。また、満期所有を目的としない一定の有価証券について時価評価が行われます。これらによって、各企業の資産が、どの程度の含み損を抱えているのかが明確になります。また、民間企業同様、引当金の計上が求められることになるため、未収金等に係る将来の回収不能額や、職員に将来支払う予定の退職金等に係る潜在的な負担についても明らかになります。

第三に、みなし償却制度の廃止についてです。現行基準において認められている「みなし償却制度」を適用した場合、補助金等を財源とする部分の帳簿価額は、除却等が行われた場合を除いて、取得時の金額から減額されることがありませんでした。一方、新制度では、時の経過や使用に応じた価値の減少を認識していきますので、固定資産の経済的実態(価値減少)をより忠実に表現することになります。

重要なことは、「どのように変わったのか。また、その原因は何か。」について、企業内でしっかり分析するとともに、サービスの利用者や住民等に丁寧、かつ、分かりやすく説明することです。その過程を経てこそ、企業の健全な発展は、確かなものになると言えるのではないでしょうか。


  1. ※1地方公営企業法においては、「資産、資本及び負債」という用語が使用されています。

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