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国立大学法人会計基準等

国立大学法人会計基準等の改訂について(第1回)

2012.04.25

1. はじめに

「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」、「固定資産の減損に係る国立大学法人会計基準」及び「固定資産の減損に係る国立大学法人会計基準注解」が平成24年1月25日付で改訂され、「「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」に関する実務指針」(以下「実務指針」という)は平成24年3月に改訂されました。

今回の詳細な改訂内容は、主に実務指針の改訂に反映されています。そこで、今回の実務指針の主な改訂内容を下記の3つの観点から整理し、3回に分けて、解説します。

  • 「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」の改訂に伴うもの
  • 実務上の観点から要請されたもの
  • その他基準の明確化等に伴うもの

2. 「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」の改訂に伴うもの

(1)会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準への対応

【改訂の背景】

企業会計における「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」では、会計方針の変更及び誤謬の訂正に伴う累積的影響額は、当期首の資産、負債及び純資産の額に反映することとされ、損益計算を通じて累積的影響額を認識する取扱いにはなっていません。

しかしながら、国大等においては、制度上、利益剰余金(積立金)の額は、損益計算または利益処分を通じて変動させることしか認められておらず、直接、純資産の部の利益剰余金の額を変動させることはできません。従って、企業会計と同様の処理を行うことが制度上できないため、現行と同様の取扱いとすることが適当と考えられ、「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」自体は導入が見送られることとなりました。ただし、当該企業会計基準の公表を受け、実務上の便宜を考慮して、定義規定の整合性の確保など、必要な手当を行うための改訂が行われました。

【改訂の概要】

  • 重要な会計方針等を変更した場合に記載しなければならない事項が規定されました。
    例えば、新設項目の会計上の見積りの変更は、変更した旨及び内容、財務諸表に与える影響を記載します。
  • 会計上の見積りの変更に関して、過去の財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき最善の見積りを行った場合には、当事業年度中における状況の変化により会計上の見積りの変更を行ったときの差額、または実績が確定したときの見積り額との差額は、その変更のあった事業年度または実績が確定した事業年度に、その性質により、経常費用または経常収益として認識します。
  • 当期において過去における見積り誤りに起因する引当額の過不足などが発見された場合など、過去の財務諸表における誤謬が発見された場合には、過去の財務諸表の遡及修正は行わず、過年度の損益修正額を原則として臨時損益の区分に表示します。

(2)非特定償却資産で生じた減損額の会計処理

【改訂の背景】

非特定償却資産(資産見返負債を計上している固定資産を除く)については、減価償却相当額を損益計算上の費用として計上していますが、一方で、中期計画などで想定した業務運営を行ったにもかかわらず減損が生じた場合には、資本剰余金の控除項目として計上しており、投下資本回収の観点から不整合が生じていました。

【改訂の概要】

  • 非特定償却資産(資産見返負債を計上している固定資産を除く)は、中期計画などで想定した業務運営を行っていたか否かにかかわらず、すべて損益計算上の費用に計上します。
  • また、今年度において、既往事業年度において生じた非特定償却資産に係る損益外減損損失累計額を減額し、相当額を臨時損失に計上します。
  • なお、資産見返負債を計上している固定資産に係る減損は、基準改訂の影響を受けず、従来どおり減損基準等第7に沿って処理します。

改訂前と改訂後

次回は、実務上の観点から要請された改訂内容について解説します。

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